はじめに

どんな女性でも、自分のお腹に宿った「いのち」を好きで亡くす人なんていないでしょう。それなりの事情があり、大きな苦しみと深い悲しみをもたらします。新しい生命を育てること、これは女性にとってかけがえのない喜びだからです。
 ところが水子といえば、悪いお話も聞きますし、心無い考えをお持ちの方もおられます。なかには不安を招くような説明をされるお寺さまもございます。
 お腹の赤ちゃんを亡くされたことで哀しまれている方は大勢いらっしゃるのに、その哀しみを本当の意味で理解してくれる方が少ないことは、とても切なくかわいそうでなりません。困っていても「誰にも聞くことができない」「誰も教えてくれない」というのは、ますます苦しみや悲しみを増幅させる元になりかねません。その苦しみや悲しみから一筋の光を見出させることが常光円満寺に与えられた使命でございます。
 常光円満寺には、毎日多くのご相談が寄せられます。ここに特に多かったご相談をQ&A形式でお答えさせていただきます。この内容を読まれることで、水子をお持ちでない方は、水子について考えていただき、またその事で悩まれている方は、心のやすらぎを得られることを願っております。

副住職 藤田晃秀


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